「ドラム式洗濯機はおすすめしない」「二度と買わない」——こういう記事、検索するとかなり出てきます。内部が汚れる、故障したら修理代が高い、シワになる、掃除が面倒。たしかにどれも事実の一面です。
ただ、私は今まさにドラム式洗濯機を使っている側の人間です。結論から言うと、フィルター掃除の面倒くささを差し引いても、買ってよかったと思っています。洗濯物を入れてボタンを押せば乾燥まで終わっている。この一点だけで、私の中では他のデメリットがほぼ全部かき消されました。
この記事では、よく言われるドラム式のデメリットを一つずつ取り上げて、「実際どうなのか」「どうすれば潰せるのか」を書いていきます。デメリットから逃げずに全部並べたうえで、それでもおすすめできる理由をお伝えします。
そもそも「ドラム式はおすすめしない」と言われる理由
批判的な記事や口コミを読み込むと、指摘されるポイントはだいたい次の6つに集約されます。
- 内部が汚れやすい(洗剤カス・ホコリ・カビ)
- フィルター掃除が毎回必要で面倒
- 故障しやすく、修理費用が高い
- 本体価格が高く、元が取れない
- 衣類が縮む・シワになる
- 前開きドアなので設置スペースを食う/小さい子やペットがいる家庭では危険
どれも「ウソ」ではありません。ただ、ほとんどが「機種選び」と「使い方」と「そもそも何を期待して買うか」で潰せる話でもあります。順番に見ていきます。
デメリット①「内部が汚れやすい」→ 汚れる前提で設計されている
ドラム式は少ない水で洗うぶん、洗剤が溶け残りやすく、ドアパッキンの内側やホコリの通り道に汚れがたまりやすいのは本当です。「乾燥を使っているのに生乾き臭がする」という口コミも、たいていは内部にたまったホコリが原因です。
ただ、ここは考え方を変えたほうがいい部分だと思っています。ドラム式は「汚れない家電」ではなく、「汚れることを前提に、掃除できるように作られている家電」です。
やることは実質3つだけ
- 乾燥フィルターのホコリ取り:毎回〜数回に1回。ここをサボると乾きが悪くなる
- ドアパッキン内側の拭き取り:週1回、乾いた布でぐるっと一周
- 排水フィルター(糸くずフィルター)の掃除:月1回程度
正直に言えば、フィルター掃除は面倒です。私も「またか」と思いながらやっています。でも、面倒なのは1回30秒の作業であって、洗濯物を干す作業とは比較になりません。天秤にかけたとき、私は迷わずフィルター掃除を選びます。
そして「奥のホコリ」は業者に任せられる
自分では届かない、ヒートポンプや送風経路の奥にたまるホコリ。ここが従来「ドラム式の宿命」と言われてきた部分ですが、近年のモデルは分解・清掃を前提とした構造になってきており、専門業者の分解クリーニングも一般的なサービスになっています。数年に一度、洗濯機のメンテナンス費用として見込んでおけば済む話です。
エアコンだって数年に一度はクリーニングを頼みます。ドラム式も同じで、「壊れたら終わり」ではなく「維持費のかかる設備」として捉えると、途端に納得感が出てきます。
デメリット②「故障が多く修理費が高い」→ 事実。だから”想定コスト”に入れる
ここはごまかさずに書きます。ドラム式は縦型より構造が複雑で、部品交換をともなう修理は縦型より高くつく傾向があります。乾燥不良の修理は数万円規模、制御基板の交換ともなればさらに上、加えて出張費が数千円かかるのが一般的です(メーカー・症状・地域で大きく変わるので、あくまで目安です)。
寿命についても、縦型のほうが長持ちしやすいという声は多いです。乾燥機能というモーターとヒーターを酷使する仕組みを毎日回している以上、そこは避けられません。
それでも私が納得している理由
私はこれを「時短を買うための維持費」だと考えています。
洗濯物を干して取り込む作業が毎日15分だとすると、年間で約90時間。数年で数百時間です。その時間を買い戻すために本体価格と維持費を払っている、という計算なら、修理費は「想定内の出費」になります。逆に「安く洗濯だけしたい」人がドラム式を買うと、確実に後悔します。ここが評価の分かれ目です。
修理費を抑える現実的な対策
- 延長保証は基本つける:家電量販店の5年保証は、ドラム式に関してはかなり合理的
- フィルター掃除をサボらない:乾燥不良の多くはホコリ詰まりが原因。掃除は最大の故障予防
- 定期的に分解クリーニングを入れる:故障してから直すより安く済むことが多い
デメリット③「衣類が縮む・シワになる」→ 素材を選べばほぼ解決
これも「ある」と言えばあります。ただ私の実感では、よほど繊細な衣類でなければ問題になっていません。実際、我が家では縮みが原因で困ったことはほとんどありません。
ポイントは、洗濯機に合わせて服のほうを選ぶことです。
ドラム式と相性のいい服・悪い服
- 相性◎:ポリエステル混(ポリ混)。縮みにくく、乾きが早く、シワも出にくい。私が服を買うときに真っ先に見るのがここです
- 相性◯:綿100%のタオル・下着・部屋着。多少縮んでもダメージが小さく、むしろタオルはふんわり仕上がる
- 相性△:綿100%のシャツ・ニット。縮みとシワが出やすい
- 相性×:ウール、シルク、レーヨン、装飾の多い服。これは最初から乾燥にかけない
つまり、「全部を乾燥にぶち込む」のをやめて、乾燥にかけないものを最初から分けておけば、縮み問題はほぼ消えます。そして服を買い替えるタイミングでポリ混に寄せていけば、その分け作業すら減っていきます。
ちなみに、乾燥にかけない衣類はどうしても手で干すことになります。少量でも外に干す機会は残るので、丈夫な物干しハンガーが1つあると地味に助かります。詳しくは無印良品のアルミ角ハンガーは外で使っても壊れないで書いています。
「服に合わせて洗濯機を選ぶ」のではなく「洗濯機に合わせて服を選ぶ」。この発想の転換ができるかどうかが、ドラム式で満足できるかの分かれ道だと思います。
デメリット④「小さい子・ペット・年配の家庭には不向き」→ 対策はある
批判記事でよく挙がるのがこの点です。それぞれ分けて考えます。
小さい子ども・ペットがいる家庭
前開きドアなので、中に入り込む事故リスクが指摘されます。ここは軽視すべきではありません。ただし対策は明確で、チャイルドロック機能を使う、使用後はドアを閉める習慣をつけるの2点でかなり防げます。近年の機種はチャイルドロックが標準搭載です。
なお「ドアを閉め切るとカビる」とよく言われますが、これは乾燥機能を使わない家庭の話です。毎回乾燥まで回していれば、庫内はそのたびに高温で乾かされるのでカビは生えません。乾燥を使う運用なら、安全のために閉め切っておくほうが合理的です。
年配の方がいる家庭
「かがむ姿勢がつらい」という指摘です。これは逆で、ドラム式は上から覗き込んで底の洗濯物を取る動作がないのが利点でもあります。縦型で腰をかがめて底に手を伸ばすほうがつらい、という声もあります。ドラム式でも低い位置には変わりないので、洗濯機用のかさ上げ台を使えば操作パネルもドアも高くなり、かなり楽になります。
そして何より、乾燥まで終わるということは「干す」「取り込む」という一番の重労働がなくなるということです。高いところに手を伸ばして洗濯物を干す動作こそが、年配の方にとって一番負担が大きい作業ではないでしょうか。
デメリット⑤「設置スペースを食う」→ ここだけは事前確認が必須
これは対策で潰せないので、正直に書きます。ドラム式は本体が大きく、さらにドアを開けるための前方スペースが必要です。狭い洗面所だと、ドアを開けたら通れない、洗面台の扉が開かない、といった事態が起きます。
買う前に必ず確認してください。
- 防水パンのサイズ(内寸)
- 搬入経路(玄関・廊下・洗面所のドア幅)— ここでつまずく人が本当に多い
- ドアを開けたときの前方スペース(実測で60〜70cm程度は見ておきたい)
- ドアの開く向き(左開き・右開きを選べる機種が多い。壁の位置に合わせる)
- 水栓の高さ(本体が背が高いので干渉することがある)
ここを確認せずに買うと、「思っていたのと違う」の最大要因になります。逆にここさえクリアできれば、設置面のデメリットは事前に消せます。
「乾太くんのほうがいい」問題について
ドラム式の話をすると必ず出てくるのが、ガス衣類乾燥機「乾太くん」です。乾燥性能そのものは乾太くんに軍配が上がります。ガスの高温で一気に乾かすため、乾燥時間が短く、仕上がりもふっくらすると評価されています。
それでも私がドラム式を選ぶ理由は、たった一つです。移し替えの手間があるかないか。
縦型+乾太くんの組み合わせは、洗濯が終わったら濡れた洗濯物を取り出して乾燥機に移す工程が必ず発生します。ドラム式なら、その工程がゼロです。ボタンを押したら次に触るのは「乾いた洗濯物」。この差は、毎日繰り返す家事としては決定的に大きいと感じます。
そしてこれは乾太くんに限らず「乾燥機を使わない縦型」全般に言えることですが、私が一番実感しているのは季節です。夏の暑い中や、冬の寒い中、濡れて冷たい洗濯物を触りながら干さなくていい。これが本当に大きい。冬の朝、冷え切った洗濯物を一枚ずつ広げて干していく作業を毎日続けられるかというと、私は自信がありません。ドラム式は「干す」という工程そのものを消してくれます。
乾太くんは「設置のハードル」が高い
乾燥性能で勝っている乾太くんが万能でないのは、導入の工事が大がかりになるからです。
- 壁に排気ダクトの穴をあける工事が必要。湿った空気を屋外に出す仕組みなので、これは避けられません
- 設置場所にガス栓がなければガス配管の工事も追加。天井裏などを通して引いてくることになり、既存住宅ではリフォーム扱いになります
- 賃貸・マンションは工事の許可が下りないことがある。管理規約で穴あけが禁止されているケースは珍しくありません
- 本体+工事の総額は、設置状況によってはかなりの額になります。ドラム式は「買って置くだけ」で済むのとは対照的です
そしてもう一つ、見落とされがちなのが排気の行き先です。乾太くんは湿った熱い空気と柔軟剤の香りを屋外に排出するため、隣の家との距離が近いと、排気の湿気・熱・においが近隣トラブルの火種になることがあります。実際に「隣家の乾太くんの排気のにおいがつらい」という相談はネット上に一定数あり、運転音も決して静かではありません。排気フードの向きが隣家の窓や寝室に向いていないか、設置計画の段階で確認が要ります。
ドラム式なら、こうした工事も排気も一切考えなくていい。「置けるかどうか」だけで判断できるのは、地味ですがかなり大きな利点です。
それでも乾太くんが向いている家庭
- 短時間に2回以上洗濯を回す(乾燥中に次の洗濯を同時進行できる)
- 家族が多く、タオルや部活着が大量に出る
- ガス配管の工事ができる住環境で、設置スペースに余裕がある
洗濯量が多い家庭ほど乾太くんの価値が上がり、「手間をゼロにしたい」家庭ほどドラム式の価値が上がる。この整理が一番しっくりきます。
ドラム式で失敗しないための選び方チェックリスト
デメリットを潰す前提で買うなら、見るべきポイントは絞れます。
1. 乾燥方式:ヒートポンプ式を選ぶ
低温で乾かすため衣類が傷みにくく、電気代も抑えられます。ヒーター式は本体が安いぶん、衣類へのダメージと電気代で差が出ます。毎日乾燥まで使うつもりなら、ここはケチらないほうが後悔しません。
2. 手入れのしやすさ:フィルターの位置と自動お掃除機能
「掃除が面倒でやめた」を防ぐ最大のポイントです。フィルターが手前にあってワンタッチで外せるか、乾燥フィルターの自動掃除機能があるかを確認してください。
3. 洗濯容量と乾燥容量は別物
「洗濯12kg/乾燥6kg」のように、乾燥容量は洗濯容量より小さいのが普通です。使う人は乾燥容量のほうを基準に選んでください。ここを見誤ると「一度に乾かしきれない」不満につながります。
4. 設置サイズと搬入経路
前述のとおり。カタログの寸法だけでなく、家の実測を先にやってください。
5. 自動洗剤投入機能があるものを選ぶ
意外と効いてくるのがこれです。洗剤と柔軟剤をタンクにまとめて入れておけば、あとは洗濯物の量に応じて自動で適量を投入してくれます。毎回キャップで計量する動作がなくなるので、「入れてボタンを押すだけ」が本当に「ボタンを押すだけ」になります。
洗剤の入れすぎも防げるため、溶け残りによる内部の汚れ対策にもなります。デメリット①で書いた「汚れやすさ」を機能で潰しにいく、という意味でも相性がいい機能です。
6. 延長保証
ドラム式に関しては、5年保証は「保険」ではなく「必要経費」に近い感覚で考えていいと思います。
ドラム式洗濯機を探すなら
価格と在庫は入れ替わりが激しいので、各ショップの最新価格を見比べるのが確実です。チェックするのは「乾燥方式(ヒートポンプ式か)」「乾燥容量」「フィルターの手入れのしやすさ」「自動洗剤投入の有無」の4点。
迷ったら、この4つを高い水準で揃えているパナソニックから見比べるのが手堅いです。
※デメリットも本文のとおりです。設置スペースと搬入経路の実測を済ませてから購入してください。
結論:ドラム式は「時短を買う家電」。それを分かって買えば後悔しない
「ドラム式はおすすめしない」という主張は、「安く洗濯だけを済ませたい人にはおすすめしない」なら完全に正しいと思います。本体は高く、掃除の手間があり、壊れたら修理代もかかる。純粋な洗濯性能と耐久性だけを見れば縦型のほうが優秀です。
でも、ドラム式が売っているのは洗濯性能ではありません。「干す・取り込む」という毎日の重労働を人生から削除する権利です。
私自身、フィルター掃除は面倒だと思っています。縦型より寿命が短いかもしれないとも思っています。それでも、洗濯物を入れてボタンを押せば乾燥まで終わっているという体験は、それらを全部飲み込んでお釣りがくるものでした。夏の暑さの中でも、冬の寒さの中でも、冷たく濡れた洗濯物を触らなくていい。この価値をどう見積もるかが、すべてだと思います。
まとめると、こう整理できます。
- ドラム式が向いている人:干す手間をなくしたい/共働き・育児で時間がない/洗濯を1日1回まわす/設置スペースと搬入経路をクリアできる/服をポリ混に寄せられる
- ドラム式が向いていない人:初期費用と維持費をとにかく抑えたい/掃除の手間を一切増やしたくない/綿やウールの繊細な衣類が中心/設置スペースが確保できない
洗濯以外の家事も削っていきたい方は、エアジェットで浴槽掃除が半分の時間にやecho show8でできる時短テクニックまとめもあわせてどうぞ。ドラム式と同じで、「毎日やる作業を機械に渡す」発想で効いてくるものです。
デメリットは「知らずに買うから後悔になる」だけで、知ったうえで対策して買えば、ただの仕様です。この記事が、その判断材料になれば嬉しいです。
よくある質問
Q. 乾燥まで使うと電気代がかなり高くなりませんか?
ヒーター式に比べ、ヒートポンプ式は消費電力を抑えられる方式です。ただし電気代は契約プラン・地域・使用頻度で大きく変わるため、具体的な金額はメーカーの公表値と自宅の電気単価で計算するのが確実です。乾燥まで毎日使うなら、ヒートポンプ式を選ぶこと自体がランニングコスト対策になります。
Q. フィルター掃除は毎回やらないとダメですか?
乾燥フィルターは毎回〜数回に1回が理想です。サボると乾きが悪くなり、それが乾燥不良の故障につながります。掃除は手間ではなく、故障を防ぐ一番安い予防策だと考えるといいです。
Q. タオルはごわつきませんか?
むしろ逆で、乾燥をかけたタオルはふんわり仕上がります。ごわつくのは自然乾燥のほうです。ただし乾燥をかけ続けると繊維は少しずつ傷むので、タオルは消耗品と割り切る運用になります。
Q. 縦型からドラム式に買い替えて後悔しませんか?
「乾燥を毎日使うか」で決まります。乾燥を使わないならドラム式にする意味は薄く、価格と手間のぶん後悔しやすいです。逆に毎日乾燥まで回すつもりなら、買い替えの満足度は高くなります。
Q. どのくらいの頻度で分解クリーニングを頼むべき?
使用頻度によりますが、乾燥の効きが落ちてきた、乾燥時間が長くなった、においが気になる、といったサインが出たら検討時期です。故障してから修理するより安く済むことが多く、維持費として最初から見込んでおくのが賢い付き合い方です。


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